yzb’s diary

仕事と禅と病気(ガンサバイバーです)

アサジョーリ氏の「意志のはたらき」

能の解説本を読んでいて、この本が紹介されていたので買ってみた(絶版なので、Amazonで中古で入手。絶版なので表紙はありません。すみません)。

意志のはたらき (サイコシンセシス叢書)

意志のはたらき (サイコシンセシス叢書)

内容は、意志を訓練することで、より上位の自己(トランスパーソナルなセルフ)と一体化しようという趣旨なのですが、自分の狭い見識ですが、これは禅で言うところの悟りの境地と同じ事を示してるのでは?と思っています。トランスパーソナルなセルフって何なのか??学術的には定義が難しいと思いますが、この本では、心理学の枠組みで記述する努力がなされていて、また、具体的なトレーニングの方法も記載されており、バランスの取れた比較的安全な文献と思って読んでいます。

禅では“悟りを目標とするな”とか、“目的を持って坐禅するな”とか、かなりメタレベルで難しいのですが、この「意志のはたらき」では、よりよい人生を歩むために、自分の意志を高めて、トランスパーソナルなレベルに到達しましょうと書かれています(さらにはその計画をきっちり立てろともある)。目的目標が明確で、トレーニングの方法も具体的に示されているので、読んでいて解釈に困るとはありません。まぁアプローチは違いこそすれ、同じような境地にたどることを目的としているとは思います。

■追記 2011/09/19

アサジョーリ氏の著作について、洋書も結構絶版の様で、トランスパーソナルとか、サイコシンセシスってあまり受け入れられていないのか、はたまた、認められない学説なんでしょうか。。ちょっと分かりません。。 トランスパーソナルで表現される、上位の存在ってのは、捉え方ではかなり宗教がかった、扱いの難しい概念とは思いますが、禅的な悟りの解説であると思われ、意義深いアプローチと思えるのですが。。